◆雨の朝
林道ツーリングに行く日を決めてから週間天気予報が気になっていた。
皐月の季節にも関わらず、ここ1,2週間は梅雨空の様相を呈しており、
天気マークがわざととも思えるくらいにめまぐるしく変化していたのである。
そしてその前日、予報では明け方頃まで雨、その後は曇りとなった。
よし!これなら大丈夫ということで安心して眠りについた。
〜〜〜〜〜
AM4:00頃、めざまし時計の前に目覚めた。雨はまだ降っている。
まぁ、集合場所に着く頃には雨も上がっていることだろう。
そう思って準備を整え、AM5:30に家を出た。
〜〜〜〜〜
途中、FMの天気予報が耳に入ってきた。
ん?一日中雨?どうやら上がるはずの雨が上がらないらしい。
林道では降水確率90%でも雨を降らさない神通力もここまでか。仕方ない。
フロントガラスに絶え間なく落ちてくる雨粒を恨めしく思いながら集合場所に向かった。
◆集合場所
今回は以前から気になっていたR462の南側を走っている林道群を探索するために
集合場所を「道の駅 万葉の里」にした。
ちなみに、昨年オープンしたばかりの道の駅で「まんよう」ではなく「まんば」と読む。
関越道の本庄児玉I.Cを降りR462を西に向かっている途中も雨は弱まるそぶりを見せず、
道の駅近くまで行っても期待に反したままである。
気分転換という訳でもないが集合時間には40分ほど余裕があったため、
R71に寄り道して坂丸線の起点だけ確認し、改めて集合場所に向かうことにした。
〜〜〜〜〜
そしてAM8:00頃。参加予定の全員が集まった。
しばし談笑の後、まずは林道坂丸線に向けて出発した。
◆林道 坂丸線
道の駅を出てR462からR71に入ると、神流川沿いを走っていた先ほどとは表情が違って、
峠(土坂峠)に向かって登っていくことになる。
まず、細い林道(沢口線?)の入り口が確認されるが、やり過ごして坂丸線を目指した。
ほどなくして、集合前に確認していた起点を表す看板に到着。
ここから、いよいよダートの開始である。
入り口からはフラットで緩やかに登って行く感じであり、
湿り気を帯びた路面にタイヤの跡を残しながら進む。
そうこうしているうちに、少し開けた場所に出てきたので脇に車を寄せる。
林道を走るときは先を急がず都度止まれば良い。
ほんのわずかの小雨の下で、しっとりとした白い世界が心地よく感じられた。
その後はもう一ヶ所大きく展望が開ける場所がある。
この日は雲が掛かり、向こうの山並みまでは確認できなかったが、
眼下に九十九折の支線を追いかけることも出来てなかなか良い雰囲気である。
この支線は森戸線であっただろうか。
うっかりしてその先で看板を確認し忘れたが、
そうであれば小平集落に抜けることが可能な林道である。
今回はとりあえず矢久峠を目指していたので、支線は意識せずに本線を先へと進んだ。
そして、相変わらず快適な路面であった。
結局、ダート部分は約5kmほどで舗装路に姿を変えた。
この頃になると傘も不必要なくらいの小雨であり、その後は天気予報に反して雨も上がった。
紳士の神通力の面目躍如と言ったところである。
◆林道 高萩線
その後、坂丸線はR462(青梨方面)から繋がっている林道高萩線に合流することになり、
矢久峠にむけて高度を上げることになる。
ここは舗装路であるが、鮮やかな緑の合間を縫う道であり、
時折、薄紫色をした藤の花が静かに存在を示していたのが印象的であった。
以前はダート林道に強く拘っていたが、最近はそうでもない。
舗装路であろうとも走っている時の心地よさは何なんだろうか。
価値観が変わったのだろうか、、、
それともこれが本来だったのだろうか、、、
まぁ、自問自答する必要も無い。
いずれにせよ、非日常的な空間の中で安らぎを求めている自分がいるような気がする。
◆林道 二子山線
矢久峠に向かう途中、右手に現れるダート林道である。
現在も開削中の林道であるのはわかっていたが、入り口にはゲートも存在せず、
興味もあり入線することにした。
時折、ぬかるみがあったものの、ここの路面もフラットであり走りやすい。
さすがに開削中の林道ということもあり、2,3台のダンプと離合することになったが、
特に注意されることも無く、お礼のクラクションを鳴らされたりしたので奥まで進むことにした。
約4kmほどであっただろか。現時点での終点はまさしく延線工事の最中であった。
Uターンして引き返すことにした。
# 尚、R299側からも開削中であり、いつの日か接続される予定である。
◆林道 西秩父線
高萩線を経て矢久峠に到着。
この峠には分岐があるが、西秩父線に入線するなら、そのまま真っ直ぐに進路を取れば良い。
そうすれば、ダートな路面が現れる。
この林道も他のと同様にフラットであり、
その表面にほとんど石は無く土で固められているのである。
いくつかの眺望ポイントでは、雨を降らす役目を終えた雲が濃い緑を一層際立たせていた。
途中、二子山への登山道口があった。
天気の良いシーズンには大勢の人たちが訪れるのだろうか。
最終的にはR299沿いの坂本集落に至る林道である。
ダート部は約6kmだったように思う。ダート終了地点から集落まではそこそこ舗装路が続くが、
充分に幅の広い道であったように思い出される。
その後、R299に合流して御荷鉾方面に向かう。
途中、岩壁に恐竜の足跡が残るさざ波岩を確認して、さらに先に進む。
ピストン林道も何本か現れるが、この時点でAM11:00過ぎということもあって、
特に寄り道もせずにR299〜R45と繋いだ。
◆林道 かまかけ線
R45を北上してほどなくすると左手に雰囲気の良さそうな林道の入り口が見つかる。
林道名を示すものは何も無いが、おそらく目的の塩ノ沢峠方面に抜けている林道かまかけ線と
判断して入線することにした。
砂利ぽっい路面を過ぎて分岐地点では塩ノ沢方面の矢印通りに進み、高度を一気に上げる。
開けた場所では眼下にはR45が並行して走っていることに気付く。
走っていると、突然、目の前を大きな鳥が横切った。トンビである。
我々の注目を浴びているのを知っているかのように目線の高さで2回ほど輪を描いてくれた。
その場所を過ぎて徐々に下っていくと、R45に合流した。
そこの看板には林道かまかけ線の文字があった。
◆御荷鉾スーパー林道
坂丸線〜高萩線(〜二子山線)〜西秩父線〜R299〜R45〜かまかけ線〜R45〜塩ノ沢峠
・・・と繋ぎ、御荷鉾スーパー林道までやってきた。
塩ノ沢峠から大仁田ダムに至る西側は舗装化が激しいため、且つ時間の都合もあり、
今回は20kmほどダートが残っている東に向かって走ることにした。
といっても、しばらくは舗装路が続く道である。
ダートまでどれくらいだったかなと考えながら走っていると急に視界が悪くなった。
濃霧ではなく、どうやら雲の中に突入したらしい。
なにか不思議な感覚に包まれながら、前方に注意して進んで行く。
どれくらいそのような中を進んだであろうか。ようやく御荷鉾のダートが我々を出迎えてくれた。
ダートが始まってからしばらくは数ヶ所深い轍があったりする。
また、路肩が大きく崩れているところも1ヶ所あった。
そこには「路肩崩壊のため通行止め云々」の簡易柵も用意されているようだが、
今回は横に置かれていた(柵は開いており通行可能)ので注意しながら危険箇所を越える。
その後も雲の中の幻想的とも言える世界の中に浸りながら走る。
前回訪れたときは木漏れ日の林道であったが、今回は全く違った雰囲気を楽しめた。
また、周囲の木々は新緑の装いをまとい、雨上がりのおかげで艶やかな印象があった。
時間はお昼過ぎ。
御荷鉾には3ヶ所の東屋があるので、先客が居ないところで食事を済ますために先に進む。
運良く1つ目の東屋が空いており、そこで食事の時間を楽しむ。
食後は(今回は林道本も持ってきているので)色々情報交換したり、車のチェック等々…
約1時間後、再出発。
途中に色々と支線もあるが、帰りの時間との兼ね合いもあるので今回は一気に走破する。
ありがたいことに雲海の上を走ることもあった。
展望が開けると白い海に浮かぶ遠くの山々を望むことが出来た。
残りのダートが減ってきたとはいえ、
このような風景を拝めるという点ではやはり貴重な林道である。
また、未走の支線を含めてルートを検討すると、
より幅の広いツーリングを楽しめることも可能である。
実際、周囲には数多くの林道が点在しているので、またの機会に走ってみたいと思う。
特に御荷鉾スーパー林道の北側は私にとって未踏の地なので、今後の検討ルートとしたい。
そうこうしているうちにダートが終了した。
あとはひたすら鬼石方面に向かって九十九折の細道を下っていくだけだ。
◆林道 栢ヶ舞線
さぁ、今回の最終林道である。
御荷鉾スーパー林道を走り終えて国道に出るために、栢ヶ舞線を走ることにした。
この林道はさほど距離は無いのだが、
上下左右、緑に囲まれた雰囲気であり濃い林道と言えよう。
ツーリングにちょっとアレンジするなら良いかも。
# 対向車が来れば辛いところであるが…
林道を出て右に降りていくとR462であり、そこから「道の駅 上州おにし」も近い。
我々は道の駅に寄り、小休憩後そこで解散することにした。
時間は当初の予定より1時間ほど遅れて15:30であった。
◆帰り道
予定より1時間遅くなったため、帰りの関越道の渋滞が心配であったが、
朝方の天気の崩れと、それに加えて一日中雨であると宣言した天気予報のせいで、
遊びに出かけた人たちも少なかったのだろう。全く混むことも無く順調に流れた。
おかげで17:00には無事帰還することができた。
シクロやMTBだと山まで自走するのが大変なんだよなぁ。。。と、結構考えてみたり(笑)
今まで辿ってきた林道を振り返っているうちに・・・ドキドキ。