2006年09月29日

林道探訪 追憶編9

■河口湖方面(2002.10.13)

◆秋晴れ
早朝に家を出るつもりが、予定より遅れて八王子I.Cに着いたのが6:30過ぎ。
案の定、三連休の中日ということもあり東京方面からの渋滞に嵌ってしまった。
なかなか発券所を通過できなかったが、7:00過ぎにそこを越えてからは、
順調に距離数を伸ばした。

秋晴れとはまさしく今日のような日を云うのだろう。
空には雲ひとつ無い清爽たる青空がどこまでも広がっている。
「富士山を眺めたい」 ただ、それだけの理由であったが家族も連れてきて良かった。

まずは西川新倉林道を目指すために、都留I.Cで降りて河口湖方面に進路を取った。

◆西川新倉林道
三ッ峠山登山口と富士吉田浅間町を結ぶ約15kmの林道である。
但し、かなり前に全線舗装路になってしまっている。

今回は富士吉田側から入ることにした。
何故ならこちら側のゲートは閉まっていることのほうが多いからだ。
ダメなものは先に確認しておくほうが良い。

集落の中のややこしい分岐をやり過ごして(カーナビが無ければ大変だった)、
林道らしき山道に入っていくと、ほどなくしてゲートが、、、
運が良かった。ありがたいことに今日は開いていた。

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そこから登り始めて少しすると、木々が開けて富士山が顔を見せ始めた。
都留I.Cを降りて市街地を走っているときにもその姿は見えていたが、
やはり林道からの眺めとなると何か違う気分になるから不思議なものだ。

さらに進んでいくと、河口湖と富士山を眺めることができるポイントに到着した。

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すでに先客がおられて椅子に腰掛けている。どうやら所沢から月に数回ここに通って、
朝から晩まで時間の流れとともに映りゆく姿を眺めているらしい。 
その人の話によると、やはり富士吉田側から入ってこれたのはラッキーだそうだ。

それにしても、素晴らしい景観だ。まさしく、日本の象徴美である。
しばらくここで休憩を取りながら、心が無になるような感じがした。

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先に述べた通り、舗装路となっているので走行には問題ない。
そして、標高差のある林道であるが勾配は緩やかなので走りやすい。

但し、野猿たちが道の真ん中を悠然と歩いているので注意が必要である。
こちらの車が近づくとさっさと木に登ってしまうが、じっとこちらの行動を伺っている。
なかなか愛嬌があるやつらだ。

山全体の紅葉にはもう少し時間が必要だが、既に赤や黄色の彩を添えているものもあり、
見上げると青空のキャンバスに見事なコントラストで描かれていた。

日本には四季の趣があって宜しい。
改めてそんなことを想いながら、ゆっくりと峠のほうに向かって登って行った。

◆白滝林道
三ッ峠山が近づいてくるとその起点が現れた。
この林道は峠側のゲートが閉まっていると聞いていたので、
後ほど反対側から少しだけアプローチしようかななんて思っていたのに、

これまた運が良いことにゲートが開いていた。もちろん、こちら側から入線することにした。
ちなみに、西川新倉林道とR137(浅間神社がある大石集落)を結ぶ約5kmのダート林道である。

起点付近には山栗がその実をたくさん落としており、それらを集めるハイカーもおられた。
年配のご夫婦がうちの子供たちに拾った山栗を分けてくれたりした。

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そんな良い雰囲気で進んで行けるかと思った矢先から幅員は1車線状態になり、
路面は流水クレパスで凹凸が激しい。それに伴い、脚の伸縮が大きくなる。
まぁ、たしかに荒れている林道というのは知っていたが、、、

それでも、時折正面に頂をのぞかせる富士山には気分が良くなる。

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樹林帯を抜けると、こんなに素晴らしい眺めが待ち受けていた。
ここに来て感嘆の声を上げぬ人はおらないであろう。
富士山の威容を感じるとともに、自然の雄大さを実感することができる場所である。

ここで小休憩を取り、心地良い風に触れる。
ススキの穂は光り輝き、秋晴れの日を一層際立たせていた。

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じつは、ここでジムニーでやってこられた地元の夫婦と会話する時間があり、
娘さんが焼いたカレーパンを分けてもらった。
今回のツーリングはいつにも増して何かしら交流を持つことが多かった。

さて、ここからもず〜っと下りが続くのだが、やはり流水クレパスは続いていた。
台風の影響が出ているのだろう。

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削られた部分を跨いだり、あるいは車輪を落とさざるを得ない状況になりながら進んだ。
一部にはぬかるんだ赤土でそれなりのタイヤでないと厳しい場所もあったが、
クロカン目的で行っても遊べるものではない(だから林道名を書いている)。

それ以前に、地元の人が山菜取りなどをしているので迷惑を掛けてはいけない。
クロカン経験が無い人はスタックの可能性が大きいので行かないほうが賢明であろう。
# 場所によっては幅員に余裕が無く崖スレスレで跨ぐ必要もあった。

結局、流水クレバスは最初から最後まで点在した。
路面が落ち着いてきた頃になると、
標高もぐっと低くなり、周囲の木々はまだまだ緑色のトンネルで出迎えてくれた。
この辺りまで色づいてくるのは、3〜4週間ほど先の話であろうか。

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また、この林道の途中には「母の白滝」につながる分岐がある。
せっかくここまで来たのだからと思って立ち寄ることにした。
岩板を15mの落差で一気に落ちる瀑布であり、その様は壮観であった。

この滝で気分をリフレッシュをした後、さらに下って浅間神社の脇を抜けてR137に出た。

◆天下茶屋(御坂峠)
次に御坂峠を目指すことにした。天下茶屋に立ち寄りたかったためである。
# 大阪出身の私にとって天下茶屋という名前には何か違和感が生じるが(^^;

R137を北上して新御坂トンネル手前で折れて御坂みち(旧鎌倉往還)に入る。
九十九折の道中、時折富士山がその姿を現し、なかなか気分良く走れる道である。

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ほどなくして、天下茶屋に到着。付近には予想以上に車が路駐している。
近くに登山道などもあり、訪れる人たちは多いのであろう。
古くは太宰治が滞在した茶屋で「富士には月見草がよく似合う」と刻まれた文学碑も立つ。

食事どころでは「秋限定/天然なめこ入りほうとう鍋」なんて惹かれたが、
今回はおにぎりを持参していたし、頂戴したカレーパンもあったので今回はパス。
また、ザクロのキャラメルなんて珍しい物も売っていたりした。

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さて、ここは標高1300mの地点であり、秋風が気持ち良くそよいでいた。
富士山と河口湖が一望できるビュースポットとしても有名である。
今回は頂き付近に横に薄く霞が広がるような不思議な風景を見ることができた。

◆蕪入沢上芦川林道
西に向かうために天下茶屋から御坂トンネルを越えて蕪入沢上芦川林道を通ることにした。
ツーリングマップルでは水ヶ沢林道になっているが、
それは途中から分岐する林道の名称なので、ここでは蕪入沢上芦川林道としておく。
実際に林道の標識にはそう記されていた。

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ここはどんべえ峠を越える舗装路林道である。
起点からしばらくは御坂山地の斜面を登るようにして進むが、
雰囲気は樹林帯に囲まれて鬱蒼とした感じがするものであった。

しかし、上まで登ってくるとその印象はがらりと変わって開けた爽快なルートが現れた。
青空が続く中で、遠くの町並みまで見渡せたのである。
次の林道までの単なる舗装路として考えていたので、これには気分を良くした。

尚、峠部分にはまだほんのわずかだがダートが残っており、
舗装工事の真っ最中という雰囲気であった(日曜日で工事は休み)。

そこを過ぎて下っていくとすずらんの群生地があった。
もちろん、この時期では鑑賞することはできなかったが…

◆大窪鶯宿林道
今回の最終林道である。ちなみに鶯宿は「おうしゅく」と読む。
蕪入沢上芦川林道を下りきってr36に合流して西に向かう。
芦川村役場を過ぎて次の分岐であり、そこには鶯宿峠入口の標識もあるので、
起点はわかりやすいであろう。

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さて、芦川村側からの場合、峠までの約3.9kmは舗装路である。
この峠からの眺めはなかなか素晴らしい。
甲府盆地や奥秩父の山並みを一望できてその視界に収めることになる。
また、この峠には5分ほど歩いたところに両面檜のなんじゃもんじゃの木があるのだが、
今回は諸事情で立ち寄れなかった(残念)。

峠から境川村に向けての下りはダート(一部舗装アリ)となっている。
数箇所で流水クレパスが発生していたが、総じて走りやすい路面と云えよう。

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最後にノコンギク(と思われる)が咲き乱れていて美しかった。
薄紫色の花が太陽から思いっきり光を浴び、気持ち良さそうに揺らいでいた。

◆帰り道
境川村に出たときは、ちょうど15:00。
この時間だったら中央道もそんなに混まないだろうと判断して、一宮御坂から中央道に乗った。

懸念していた小仏トンネルでは渋滞4kmが発生して睡魔に襲われかけたが、
適当に流れ出してくれたので助かった。
高速を降りてからは特に混むことなく無事に我が家に到着した。

素晴らしい秋空のもとで富士山を眺めることができて充実した一日であった。
posted by きーじぇい | Comment(0) | TrackBack(0) | クルマ関連 |

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