◆出発
今年のGWは前半と後半に分かれており、遊びの計画が立てにくかったのであるが、
とりあえず、晴天に恵まれそうな「緑の日」に出かけることにした。
向かう先は「彩の国ふれあい牧場」である。
時間に追われることのない牧場で、そして高原の爽やかな風に吹かれながら、
お弁当を広げてのんびりと過ごすことが目的だったのだ。
朝7:45、子供達のテンションも高く、青空が続く方角に向かって出発した。
◆林道御堂笠山線
R254〜r11とつなぎ「和紙の里」近くまでやってきた。
天気の良い休日にも関わらず、渋滞などは皆無で調子良く進んで来ることができた。
さて、ここから数km走れば目的地に辿り着けるが、まだ朝の9:20だ。
ちょうどこの先には御堂笠山線の起点があったはずだ。
家族に了解を得て、林道を経由することにした。
「和紙の里」の方向に進路を取り、そのまま進んで老人福祉センターを探す。
ほどなくして左手に登っていく舗装路に折れてみるとそれらしき建物があり、
その脇には御堂笠山線の起点を示す看板が立っていた。
起点からしばらくは舗装路が続く。
ちょっと広くなった場所で小休憩を取ると、じっとしていられない子供達がはしゃぎだす。
たしかに気持ち良い天気だ。入線してくる車もないし、静かに風が流れる雰囲気を味わう。
ダートが始まると、同じ山なのに景色が全然異なって見えるから不思議なものである。
光に反射して輝きを放つ黄緑色がより一層美しく感じられる。
林道を走るなら春から初夏にかけて眩しい雰囲気に包まれるこの季節が最も好きだ。
紅葉の鮮やかな彩りももちろん素晴らしいが、今は新しい生命で山が活き活きしている。
この辺りはハイキングコースが色々と設定されているので、何度かハイカーを追い越した。
一人で風を独占している方やグループで歩まれている方々など楽しみ方はそれぞれである。
峠付近になってくると展望が開けてきた。
優しい青空の下で遠くに見える山並みも穏やかな表情を見せていた。
ここからの下りは停まることもなく、ゆっくりと走り抜けて広場状のT字路に出た。
約3.5kmの林道だったが、全体を通じて路面はフラットで幅員もあり走りやすかった。
なかなか良い印象を持ってT字路を右折することにした。
◆林道萩平笠山線
九十九折の道を進んでいくと萩平の集落が見えてきた。
たしかこの付近にも完抜の林道があったはずだと思ってそれらしき道を探す。
せっかくここまで来たことだし、大した寄り道でもないので走っておきたかったのである。
萩平笠山線を見つけて入線。
しばらくすると牡丹桜の濃いピンクとシナレンギョウの黄色い花が春の山を表現していた。
麗らかな雰囲気を味わった後、ここからはどんどん高度を稼いで行く。
御堂笠山線に負けず劣らずこちらも空が開けてきた。
自然と笑みがこぼれるのがわかる。
さらに進んで行くと再び樹木で覆われた道を走ることになるが、
ここからは黄緑色の眩しさを実感して走ることが出来た。今しか味わえない瞬間だ。
子供達の「緑の日だからかな?」というひと言が印象に残る。
そう、まさしく「新緑の日」の中を走っていた。
しばらくすると、突然フロントガラスに予想外の世界が飛び込んできた。
広場になっている場所があり、一本だけ立っている木は妙に存在感があった。
ここでは空を感じることができた。
透明感ある世界の中に身を置きながら、肌を通り過ぎる風が心地良かった。
この辺りは800m級の山だと思うが、遮るものがない景観に否定の言葉は見つからない。
それにしても青いキャンバスには雲ひとつない。
そのせいだろうか、白いXJとのコントラストは鮮やかで美しかった。
この先はフラットな路面が続き、大きな切り通しを越えると舗装路に出た。
どうやら約5kmほどの林道を走り終えて七重峠に到着したようだ。
また訪れたいと思う良い雰囲気の林道であった。
時計を見ると10:30頃。さぁ、本来の目的地へ向かおう。
◆彩の国ふれあい牧場
舗装路の林道萩殿線〜r11を経由して11:00頃到着。
ここは山の中腹にある秩父高原牧場内にある体験施設である。
高原の雰囲気が漂い、車を降りると爽やかないい風が吹いている。
遠くに連なる山もすっかり春色になっていた。
こういう場所で食べるお弁当は本当に美味しい。
子供達もいつもより早いペースで口の中に入れていく。
食事後、ヤギが放たれている場所で二人揃ってしばらく遊んでいた。
牛たちの周りではゆったりとした時間が流れている。
この牧場は決して大きくなく(どちらかといえば小さいが)若干物足りなさもあったが、
晴天にも恵まれて、混みあう場所よりのどかな風景を選んだのは正解だった。
なんてたって、本日は「新緑の日」なんだから。
◆帰り道(奥武蔵グリーンライン〜林道権現堂線〜林道清流線)
14:00過ぎに牧場を出てのんびり帰ることにした。
ただ、行き道で来たr11〜R254をそのまま戻っても面白味に欠けるので、
定峰峠を越えて奥武蔵グリーンラインを経由するルートを選んだ。
一気に定峰峠〜白石峠〜刈場坂峠まで新緑のトンネルの中を流した。
いつもより交通量が多めであったが、やはりこの道は気持ち良い。
刈場坂峠の駐車場でひと息入れた後、さらに奥武蔵グリーラインを進んだ。
途中、梅本線の入口が開いていればラッキーなんて思っていたが、
残念ながらこの日も閉まっていた。未だに大岩が道を塞いでいるのだろうか。
いつもは顔振峠からR299に降りるのだが、今回はそのまま権現堂線に入った。
ここは毛呂山方面に抜ける九十九折の下りが延々続く舗装路林道であった。
特に展望も開けず、少々飽き気味になった頃に清流線との分岐が現れた。
このまま真っ直ぐ行けば鎌北湖方面へ抜けれたが、
思わず名前につられて清流線の方向へ進路を取ったのである。
こちらも全面舗装路の林道で物見山を取り巻きながら麓まで下っていた。
名前の由来の通り、清流らしきものがあるかと期待して入線したが、
あまり注意もしなかったので良くわからなかった。
それでも林道が終わりを告げる頃に休憩した場所では用水路があり、
澄んだ水の流れになんとなくほっとする気持ちを感じた。
また、その近くではツツジが太陽の光を浴びて鮮やかな発色を見せていた。
空を見上げると日はまだ高い。
次回、どこかの林道を訪れる際にも同じ青空が広がって欲しいものだ。