



以前、二つ目草さんからお題を頂きましたのでお約束を果たすべく行ってきた次第です。
全国的に知られる「とおりゃんせ、とおりゃんせ、ここはどこのほそみちじゃ♪」とは、
川越にある三芳野神社の参道を舞台に生まれたという説があります。
ここは「お城の天神さま」と称され、四方を土塁と堀で囲まれた天神曲輪の場所でありました。
当時は城内にあったため一般庶民の参詣は難しかったのですが、
七歳の子供のお札納めを理由に、
城門を通してもらったことが「とおりゃんせ」の唄とされています。
参道は200mぐらいでしょうか。現在では特別の扱いを受けている印象はなく、
脇に「天神様の細道」と墨で記された木の標榜が1本立っているだけです。
三芳野神社は平安時代初期の創建で、川越城築城後は城内の守護として奉られてきました。
現存する社殿は寛永元年(1624)に造営されたものであり、
その後の明暦2年(1656)に江戸城二の丸の東照宮本殿を移築し、
寛永に建てられた拝殿との間に幣殿を新しく設けて権現造りの大改造が行われたとのこと。
平成元年(1989)〜平成4年(1992)には基礎の大修理が完了し、現在に至っております。
但し、塗装や装飾品などの修復は行われていないため、寂れた感は否めません。
初期の権現造りの建造物としては大変貴重らしいので、保存に努めてもらいたいものです。
とおりゃんせの秘密は、神社が城内にあったということにあるわけですね。
お参りが目的があれば城内に入ることができたということが、ちょっと驚きでした。
帰りは怖いのがなぜかというのはまだ謎として残りますが、菅原道真の怨念とは関係なさそうですね。
城門をくぐることを許された庶民が物珍しさにうろちょろしそうものなら、
要所の見張りの侍から「さっさと行け」と叱声が飛んだことから、
心落ち着かない心境を表したものだそうです。